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社会参加

共に働くための課題(2)

仕事を続け、満足のいく成果を上げるためには、一緒に働く人たちとの役割分担なり、協働なりが、成果につながるような流れを形成しなければなりません。前回は、男女共同参画という点でネックになりがちなことを書いてみました。今回は、成果につながる流れを妨げる行動から一つ取り上げてみました。

仕事で失敗することはよくあることです。大きな失敗にしないよう自分でも努力すると思いますし、上司や先輩の助言は大切なものです。ときには、後輩の一言や苦言などが、大いに役立つことがあります。50を過ぎ、一定の役職をもつ私にとっては、上下に関係なく、さまざまな意見や苦言をできるだけ聞いて、コミュニケーションを図ることが必要不可欠となっています。
私は、もともと生意気な部分があって、我が道を行く傾向の強い人間でしたので、上司や先輩たちにはずいぶん迷惑もかけてきたと思いますが、現在、忙しい中でちょっとした一言を引き出すにはどうすればよいか、新たなコミュニケーションの方法をいろいろ探っているところです。

さて、ときどき自分の仕事の進め方を振り返り、変えていこうということを放棄したようにもみえる人に出会うことがあります。うまくいかない事象を冷静にみることができず、感情的になったり、人のせいにしてしまう他罰的な傾向を強く示したり。こうした行動パターンを示されると、気分良く働けないだけでなく、目的を達成するための適切な役割分担や協働に支障が出てきます。

こうした行動の要因はいろいろ考えられます。
①所属する職場自体が、仕事のあり方を柔軟に変えていく力を失っている
②そのようなモデルに接してきた(先輩もしていた)
③発達課題を達成できていない
④その他

③については、エリクソンEHの下記のモデルで説明できそうです。
 親密性 対 孤立
 
 世代性(生殖性) 対 停滞
もちろん、もっと違った観点からの説明もありえます。

個人的に③も少なくないという印象を持っていますが、いずれにしても、個人と環境の相互作用から、経緯を踏まえて見立てることが必須です。
 

若い世代の人たちが、こうした行動パターンの人と一緒に仕事をしていて困ってしまった場合、難しいことですが、まずは状況の全体をみていく力をつけてほしいと思います。
立場上、問題解決を自分だけではできない場合が多いと思いますので、いくつかの対処法を考えておきましょう。
ただし、下記は、効果的な場合もあれば、より難しい状況を生み出す場合もあることをご了解ください。

<個人の要因が強い場合=上記③が主要因>
・ あいさつ、敬語など、基本的な振る舞いを維持する
・ 相手の感情には巻き込まれない
・ 自分に与えられた仕事をこなす
・ 支えてくださる人たちを大切にする。相談に乗ってもらえる人をみつける
・ 感情的になったり、他罰的になる前後の状況を観察し、引き金をみつけてみる
・ 変わるだろうと考えない

<職場の要因が強い場合=①が主要因>
・ まずは自分に与えられた仕事をこなす
・ あいさつ、敬語など、基本的な振る舞いを維持する
・ 率直な意見交換ができる人を探してみる
・ 所属する職場の外に相談の場を求める
・ 職場以外に居場所をつくる

自分が経験を積み重ねてきたときに、自分の考え方や行動を、状況に合わせて変えていけるような柔軟性を保ち、チームワークを保てるように、心がけておきましょう。
職場だけでなく、家庭や地域での人間関係を豊かにしておくことも大切です。
がんばりすぎないことも必要となるときがあります。
自分作りは一人ではできません。自分を支えてくれる人を大切に、心に余裕をもつことです。

(カテゴリーを社会参加に移しました)

共に働くための課題(1) rev1

なにか提案されたり意見を言われたとき、提案や意見を提出した人(発信者)がだれかによって受け取り方が異なる。発信者が男性である場合は聞く耳をもつけれども、女性である場合、それも若い女性であると受け付けようともしない。こうした行動に出会うことはありませんか。

ここでは、発信者側に発信する権限がどれだけあるかといったローカルな制度上の関係を問題にしているわけではありません。<発信者側の性別に基づく受信者側のダブルスタンダード>を問題にしています。こうした行動傾向をもつ方は男性にも、女性にもみられるように思います。また、自らの行動傾向に気づいていないと思われる場合もあるようです。

このような行動傾向の上司がいる職場では、せっかくの発信を活かすことができず、発展が阻害されるように思います。地域でも同じような問題を見聞きします。公平な対応を築くにはどうすれば良いのでしょうか。

実際の場面では、いろいろな要因が絡み合っていることが多いですが、下記の有無は見立てておく必要がありそうです。

受信者側
①権威主義的なパーソナリティ
②傾聴能力や他者の感情の受け止めの未熟さ(対人スキルの問題)
③自己理解の未熟さや自信のなさ
④性別に基づくダブルスタンダードへの問題意識の乏しさ
 (自分も同じ目に遭ってきたからと、その風土を変えようとしない場合も)
発信者側
①発信者になる側が、ダブルスタンダードな行動や態度に接しても異議を唱えない
②同じ立場にある人が発信者に抑制を求める(出る杭を打つ風土)

地域の風土が影響している場合もあるように思われます。
受信者自身が、若いときに発信者として、同様の受信者の態度や行動を経験していたかもしれません。男性の場合、自分自身が受信者からそのような態度をとられることがないため、問題意識が希薄かもしれません。
こうした状況は、悪循環を生じがちです。

悪循環は絶つ必要がありますが、まずは問題意識をもつこと、そして状況に対する正確な見立てが必要と思われます。

「発信者の態度が問題」と言われる方もおられるかもしれませんが、そうであれば、発信者の態度を公平に評価し、必要があれば修正を求めることが受信者に求められます。

こうした問題状況に対して、どのような処方が望ましいかは、状況をよく見て考えていく必要があります。理解してくれる人がいるかどうかは大切です。決して諦めずに、職場の人間関係について相談できる場を得ることです。

2011年7月
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文献紹介

  • Nancy Keene, Wendy Hobbie and Kathy Ruccione: Childhood Cancer Survivors - A Practical Guide to Your Future
     小児がん経験者が社会生活を送るために必要な基本情報を提供する書。治療サマリーを記入できる用紙付き。 O'REILLY, 2000
  • Schwartz CL, Hobbie WL, Constine LS, Ruccione KS: Survivors of Childhood and Adolescent Cancer
     小児期、青年期のがんを克服した人たちの晩期障害、心理学的問題など、最新の知見を整理した専門書。第2版。 Springer, 2005
  • 『小児看護』 28巻9号
     「小児慢性疾患のキャリーオーバーと成育医療-日常生活がより豊かになるために」を特集している。1.総論、2.キャリーオーバーが問題となる主な疾患、3.キャリーオーバーした人の心理社会的支援、4.キャリーオーバーした人の成育看護、5.キャリーオーバーした当事者の体験に学ぶ。 ヘルス出版、2005
  • 『小児科診療』 66巻7号
     「成人となった小児心疾患」を特集している。1.病態、2.診断、3.治療、4.予後。診断と治療社、2003
  • 『治療』 85巻9号
     「知っておきたい小児疾患キャリーオーバー-小児科医から患者を引き継ぐ際に聞いておきたいこと」を特集している。1.総論、2.系統別疾患のキャリーオーバー、3.紹介システム、4.小児科医から申し送りたいこと、5.小児科医から聞いておきたいこと、6.症例に学ぶ小児科医から内科医への引き継ぎ。南山堂、2003
  • アムンドソン, N. E. and ポーネル, G. R.(著) 河崎智恵(監訳): キャリア・パスウェイ 仕事・生き方の道しるべ
     あなたのキャリア探求、仕事探しをサポートしてくれる一冊。35のワークシートで構成されている。  構成;  序章  第1章 準備  第2章 自己分析  第3章 可能性の検討  第4章 めざすべき方向性の決定  第5章 今後の行動計画  終章  ナカニシヤ出版 2005年12月
  • 日本糖尿病学会(編): 小児・思春期糖尿病管理の手引き
     1.総論、2.1型糖尿病、3.2型糖尿病、4.生活指導、5.支援(心理的支援、家庭教育、糖尿病キャンプ)、6.ケアのシステム化(チーム医療、病診連携、小児科から内科への移行、医療制度、諸団体)。南江堂、2001
  • 谷川弘治・駒松仁子・松浦和代・夏路瑞穂(編): 病気の子どもの心理社会的支援入門
     小児医療分野における医療保育、病弱教育、医療ソーシャルワーク、心理臨床の入門書。子どもと家族の理解、トータルケアの考え方、実践の基本指針、専門職の養成、チーム医療・記録・リスクマネジメントなどで構成。 成人した小児慢性疾患患者(経験者)の理解と支援についても触れている。 ナカニシヤ出版、2004